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「サンリオ時間」は、未来の笑顔を創る指標。

「One World, Connecting Smiles.~一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく~」をビジョンとして掲げるサンリオは、「サンリオ時間」を計測しています。

SanrioTimes記念すべき第1回目は、この「サンリオ時間」について知っていただきたく、インタビューでお届けします。
これから私たちサンリオがどのような未来を考えているのか。そして、「サンリオ時間」を軸に、企業としてどのようなチャレンジをしているのかを語ります。

Profile:中塚亘/テーマパーク企業や海外でのホテル・レストラン運営を経て、株式会社サンリオ入社。2022年常務取締役に就任。趣味は寝る前にTikTokとYouTubeを見ること。

未来の事業モデルを創るひと。

ーご担当されている「事業戦略本部」って何をする部署なんですか?

中塚:簡単に言いますとキャラクターやそのキャラクターを生み出してきたクリエイティビティを使って新たな体験価値を創出したり、企業としてのアウトプットを増やすことで、企業価値を刷新するプロジェクトを手掛ける部署です。社長の「サンリオはよりサステナブルなビジネスモデルを模索する必要がある」という想いから、私たちが未来においても愛され続けるためにさまざまなトライをしているんです。

サンリオ時間ってなんですか?

ー早速なんですが、2021年に「サンリオ時間を増やす」というのが、経営指標のひとつになりましたけど…そもそも「サンリオ時間」というのはどういうことなんですか?

中塚:少し順を追って説明しますね。私たちの企業理念は「みんななかよく」です。これを実現するために「One World, Connecting Smiles.~一人でも多くの人を笑顔にし、世界中に幸せの輪を広げていく~」というビジョンを掲げています。

ー「みんななかよく」するには、世界を笑顔でつなげよう!ということですね。

中塚:はい。でもこのビジョンを実現するためには今までの方法論ですと、どこまで達成しているかが良く分からなかったんです。私たちが皆さんの生活の中で本当に笑顔を創り出せているのか、「One World, Connecting Smiles.」がどこまで達成できているのかを示す指標が必要でした。

ーたしかに何かモノサシがないと、せっかくの素敵なビジョンであっても、実現出来ているのか分かりませんものね。

中塚:そうなんです。そこで私たちが考えたのが「時間」という指標だったんです。みなさんがサンリオのキャラクターやサービスなどにふれあってくれる時間こそ、笑顔を増やすことにお役立ちできている指標になると考えました。そうして生まれたのが「サンリオ時間」なんです。

ーすごくユニークな指標ですね!

中塚:会社として大切な売上や利益の目標とは別に、社会との関わりをはかるモノサシとしてサンリオ時間をモニタリングしていくことで、「One World, Connecting Smiles.」というビジョンを達成できると考えています。これまでのサンリオの企業イメージって『キャラクターを創る会社』ではないかと思いますが、これからは、グローバルエンターテイメント企業として、みなさんの様々な時間に寄り添い、その時間が少しでも笑顔あふれる時間になるよう全力で取り組んでいこうという意思表示でもあります。

なんと年間約190億時間!

ー実際にどんな風に計測しているんですか?

中塚:まずは、サンリオ時間を「夢中時間」と「寄り添い時間」のふたつに大きく分けて計測することにしました。

ーそのふたつは、どう違うんですか?

中塚:「夢中時間」は例えばサンリオキャラクターのゲームや動画など、熱中してキャラクターにふれあっていただいている時間です。もうひとつの「寄り添い時間」。寄り添い時間というのはもっと薄いけれど五感に訴えかけている時間のことで、例えばキッチンにサンリオのキャラクターのタオルがかけてあってお皿洗いのたびに触れていただいたりオンラインミーティングの背景やアバターとしてサンリオのキャラクターが登場していたり、そんなちょっとした隙間に寄り添うような時間です。このふたつの時間を合計することで「サンリオ時間」が明らかになるようにしました。エンターテイメントはますます多層的になってくると考えていて、例えばゲームをしながらYouTubeをかけ流していたり、映画を見ながらスマホでソーシャルメディアをチェックしたり。そんな多層化していくエンタメの薄い層にもサンリオは存在していって、ちょっとした笑顔を創っていくことができると思っています。

ー「夢中時間」はゲームや動画など、デジタルコンテンツのイメージがあるので算出しやすそうですが、「寄り添い時間」ってなかなか難しいそうですね。

中塚:おっしゃる通りすごく難しかったですが、「寄り添い時間」も愚直にズルせず計算しています(笑)。データの扱いに長けたチームの力を借りて、アンケートや独自の調査を通して測定方法を創り、算出しています。これからますます精度は上がっていくと思いますが、昨年一年で計測したサンリオ時間は現状でも約190億時間にも及びました。

ー約190億時間!すごいですね…!

中塚:本当にみなさんのおかげです。でも私たちは2021年より10年間で全世界で累計3,000億時間以上に増やしたいと思います。

ー3,000億時間!?現在の15倍以上と考えると膨大な時間ですね!

中塚:具体的にイメージしづらいかもしれませんが、世界人口が約80億人と考えますと、一人当たり年間約37.5時間もの時間をサンリオとともに過ごしていただけることになります。

みんながなかよく、多様な個性を認め合うために。

ーサンリオ時間を増やすために、どんなことを考えていますか?

中塚:この図がわかりやすいと思うのですが、サンリオ時間をどんなシチュエーションで楽しんでいらっしゃるか、分類すると10の時間に分類できると思っています。それぞれの時間の過ごし方に役立つような新しいビジネスを創ることが、笑顔を増やすことにつながると考えています。

サンリオ時間はこの10の時間にセグメントされます。

ーもう少し具体的にお聞きしてもいいですか?

中塚:例えば「学習時間」の中で新しい教育アイテムを私たち独自で創ることを考えたり、「創作時間」では、分散型の次世代インターネットWeb3.0の考え方を活用することでクリエイターエコノミーを促進させて独自のコミュニティを創ることなども議論しています。

ーとてもユニークなことがはじまりそうですね!

中塚:サンリオにはありがたいことに世界中にたくさんのファンがいらっしゃいます。そういったファンのみなさんが本当に満足できる時間の過ごし方に貢献したい。人間の時間というのは有限です。だからこそ、一方的にサンリオ時間を増やしていくのではなく、みなさんと一緒に本当に楽しめる時間を創っていきたいんです。

ー確かに、誰しも限られた時間を有意義に使いたいと思いますからね。

中塚:そのためにも押し付けがましいコンテンツを提供するのではなく、お客様ひとりひとりの声をできる限り丁寧に拾い、本当のインサイトに徹底的に向き合うことが最も大事です。これからは画一的なコンテンツで多くの人にアピールするよりも、多様な個人がそれぞれに楽しめるコンテンツを創っていくことで「One World, Connecting Smiles.」を達成できるんじゃないかと思います。

ーお客様と一緒に創っていくイメージなんですね。

中塚:まさに、私たちの企業理念「みんななかよく」ですよね。サンリオには「みんなで一緒に創る」という企業風土があります。創業時にも、大きな模造紙に社員みんなでアイデアを書き込んでキャラクターを創っていたと聞きました。これからは社内だけでなく世界中のみなさんとそういった姿勢を大事にクリエイションしていけたら嬉しいです。

ー世界中でサンリオ時間を過ごしているみなさんに向けてメッセージを!

中塚:これからは、ますます個性を表現していくことが大事な時代になると思います。健全な衝突を恐れず、正しい議論・建設的な対話をすることで、すべての人が臆せず個性を表現できるように、様々な形で支援できるサンリオでありたい。それは未来における企業の役割として大事なことですし、みなさんが笑顔でいられる時間を創り出すことにもつながると考えています。これからのサンリオにご期待ください。

ーそれこそサンリオ時間の本質かもしれませんね!これをお読みのみなさんも楽しい気持ちのサンリオ時間に包まれますように。

わたしのサンリオ時間!

ー思い入れのあるキャラクターと思い出があれば教えてください!

中塚:もちろん、思い入れのあるキャラクターはたくさんいるんですがあえて選ぶなら……「マロンクリーム」かなぁ。妻が小学生の頃から大好きで、大人になっても「マロンクリーム」に触れると昔の楽しかった思い出がよみがえってくると話してくれました。キャラクターって誰かの人生を本当に豊かにするものなんだなと、あらためて考えさせてくれたキャラクターなんです。

マロンクリーム/フランスのパリの郊外で生まれたウサギの女のコ。お菓子作りや手芸が得意で、とってもオシャレさん。どんな時でも明るくて前向き。リセ(フランスの学校)に通っている。

ーでは、最後にとっておきなサンリオ時間を教えてください!

中塚:まだ小さな娘と「ぐでたま」のYouTubeを観ながら洗濯物を畳む。これが我が家の週末の風景になっています。ついつい手を止めて娘と一緒に観ちゃうんですよね(笑)。

取材をおえて

記念すべき初インタビューは、いかがでしたでしょうか?気づいた方もおられると思いますが、「サンリオ時間」はこのnote「SanrioTimes」の名前の由来にもなってます。
このnoteも皆さんと一緒にさまざまなモノ・コトを創って盛り上げていけたらいいなと考えています。サンリオがさまざまにトライしていること、よりよく変わっていく姿を皆さんにお届けしていきたいと思いますので、「サンリオ時間」の一つとしてお楽しみいただければ幸いです。

(おわり)

インタビュー・文:Shime , inc.
写真:平瀬夏彦