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“クイズはコミュニケーション” サンリオクイズ研究会が語るクイズの魅力

こんにちは! Sanrio Times 編集担当です。
テレビのクイズ番組やYouTubeのクイズプレイヤーが旋風を巻き起こす現在。サンリオにも「サンリオクイズ研究会」があります。

この研究会、キャラクタークイズを楽しむのではなくメンバー自らが全ジャンルのクイズ制作を行うなど、かなり本格的に活動しているようです。そのクイズの魅力について、研究会の2人にお話を聞きました。

Profile: 木原健太郎(写真左)/ 2015年に株式会社サンリオに入社。入社後は人事、IRを経て社長室で出資関連業務などを担当。2022年からはサンリオエンターテイメントの取締役を兼任。

山本朱美(写真右)/ 2019年に株式会社サンリオに入社。入社後はライセンス営業部門にデザイナーとして配属され、主にライセンシーに向けたデザイン制作を担当。SanrioTimesのデザインも担当。

「全国高等学校クイズ選手権」優勝経験者が創設したクイズ研究会

ーサンリオクイズ研究会とは?
木原:有志があつまった同好会で、クイズ研究会には現在12人の部員が所属しています。

ーおふたりのクイズ歴を教えてください。
木原:幼い頃からクイズが好きで「全国高等学校クイズ選手権」に出るのが夢でした。
高校に入ってすぐクイズ研究会を作り、高校2年生のときに「全国高等学校クイズ選手権」の決勝まで行ったのですが、負けてしまい・・・。“臥薪嘗胆”の末、3年生の時に優勝することができました。

サンリオでもクイズ研究会を立ち上げて3年間部長として活動し、山本さんに部長を譲った今は名誉会長と言われています(笑)

クイズ研究会で使用するフリップ。早押しクイズの速さで書いてくれたのは、“臥薪嘗胆”と木原さんの好きな四字熟語である“一蓮托生”

山本:私も幼い頃からクイズや謎解きなど頭を使う遊びが好きでした。一時期、会社の同期内でクイズが流行ったタイミングで、木原さんから「早押しボタンを押しにこない?」と声をかけていただいたのが入部のきっかけです。2022年の春に木原さんから部長を引き継ぎました。

ーこちらが早押しボタンですか?

木原:はい。この早押しボタンは「早稲田式早押し機」と呼ばれています。
基本的には、電源を入れてボタンを押したらランプが点灯するというものですが、どのように押すのかは人によってスタイルが違います。僕は後ろに引くスタイルです。

山本:私は人差し指ではじくスタイルです。早押しクイズは0.1秒を競い合う世界なので、各々が最も早くボタンを点灯させられる方法をとっています。

ー奥が深い…では、サンリオクイズ研究会のはじまりについて教えてください。

木原:高校を卒業してからはあまりクイズ大会に出場していなかったのですが、「第1回『三井のオフィス』会社対抗横断クイズ2020」が行われることをきっかけに、クイズに対する思いが再熱したんです。
出場資格が4人1組ということで、社内でメンバーを募って出場しましたが、途中で敗退してしまって・・・。僕は負けると悔しくなるタイプで、テレビのクイズ番組に出題された問題を片っ端から書き起こすようにしたんです。

表計算ソフトにデータベース化していくのですが、テレビ番組1回で30問出題されるとして、それが50週で1,500問。そんな中、僕と同じように山本さんがデータベース化し始めてくれたんです。
その瞬間、部長は山本さんに引き継ごうと決めました。

―その後の成績はどうでしたか?
木原
:「第3回『三井のオフィス』会社対抗横断クイズ2021」で晴れて優勝することができました。
大会はオンラインで開催されたのですが、社員のみなさんが大会議室に集まり、パブリックビューイングのような形で見守ってくださっていたのが嬉しかったです。

問題制作することで気づくクイズの面白さとは?

ー大きな大会の前は集中的に特訓をされているのがよくわかりました。
オフシーズンはどんなことをしているのですか?

山本:月1回のペースで集まり、クイズの企画や研究を行なっております。私が部長になってからはクイズを“自分事”にしてもらえるような活動を心がけています。

ークイズを“自分事”にするとはどういう・・?
山本
:クイズに解答するだけの受け身ではなくて、問題を作ることにも挑戦してほしいんです。

自分で問題を作ると、出題される問題の構成が見えてくるようになり、より面白く感じます。問題文も、作り方によっては複数の正答があてはまるので精査が必要になったりと、解答するだけに比べ、より多くの知識が求められるのです。

木原:それにクイズはコミュニケーションなんです。

―クイズはコミュニケーション?
木原: 意外かもしれませんがクイズ制作者は答えてもらいたくて問題を作っていると思うんです。そのために、ボタンを押すヒントをちりばめている。その作る側の意図を答える側がどう読み解くか、そのコミュニケーションなのかなと感じています。

例えば早押しクイズは助詞1つでも変わってきます。
問題文の始まりが「アマゾン川『』」だと、続くのは「起こること」と想像できるので、答えは「ポロロッカ(アマゾン川で起こる逆流現象)」が多いです。
「アマゾン川『』」だと、続くのは「生息する」「存在する」が想像でき、答えは「ピラニア」や「マラジョ島(アマゾン川の河口にある、淡水の中にある島として世界最大のもの)」が想定されます。

そのヒントが問題を読むときのアクセントなのか、助詞や読点の使い方なのか、はたまた問題の長さなのか…制作者としても日々研究ですし、その意図を読み取ってくれて早く答えてくれるととても嬉しいです。

―実際にどんなクイズを制作しているのですか?
山本:基本共通のテーマを決めて、それぞれ問い読み形式の問題を用意することが多いです。
たまにおもしろ企画の会もあって、例えば私はどこかが変化する“アハムービー”クイズや、すごろく風クイズを制作しました。
こちらは問題文を百人一首のように読み上げ、正答となる札を取り合うクイズです。

山本:上の句を聞きながら正答となりそうな札を絞り、下の句にさしかかって答えの札が確定されたら取る!といった形です。

木原:山本さんはクリエイターのノウハウを活かしたクイズを作ってくれますね。

ー最後に、クイズが業務に活きたことはありますか?

木原:業務でもコミュニケーションツールとして、クイズを出しています。クイズだと楽しみながら理解が深まりますし、僕もその方に合わせて即興でクイズを制作するので、深く学ぶきっかけになる。「楽しみながら学ぶ」感覚に近いものがあるかもしれません。

山本:部長を引き継いだのをきっかけに得意ジャンルを作りたいと思い世界遺産検定2級を取りましたが、勉強するのが楽しくなって、その勢いで知的財産管理技能検定2級も取得しました。
クイズを通して、改めて勉強する楽しさに気づけたと思います。

サンリオクイズ研究会のサンリオ時間

2023年10月、研究会結成後初めてメンバーで合宿に行ったときの思い出を教えてくれました。

山本:旅行用のバックやポーチはもちろん、パジャマや時計など全員が常に何かしらのキャラクターグッズを身につけていました。お仕事だけではなく日常にも寄り添ってくれているのだな、とより一層感じました。

取材を終えて

クイズの世界の奥深さを知ることができた今回のインタビュー。
クイズ研究会の活動が社員同士の潤滑油になったり、学びに繋がったり、業務に活きてきたりと、新たなシナジーが生まれているように感じました。
今後も仕事に関することとは違った、社員の顔もお届けしていきますのでお楽しみに!

(おわり)

取材・文:あずさゆみ
(profile)
WebメディアDtimes.jpディレクター/フリージャーナリスト
かわいいもの、おいしいものが大好き。フリーライター、フォトグラファーとしても活動中。

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