ぐでたま 祝10周年! 担当デザイナー・Amyにインタビュー
みなさん、こんにちは。
Sanrio Times編集担当の鈴木です。
2023年「ぐでたま」が10周年を迎えました。
今回は10周年を記念し、「ぐでたま」の担当デザイナー・Amy(エイミー)にインタビュー。noteのために描きおろしたスペシャルなイラストも織り混ぜながら、10周年の歩みをお届けします。
ぐでたまって?
「ぐでたま」は、ぐでぐでしたたまごのキャラクターです。
サンリオが2013年に開催した、食べ物をテーマにした新キャラクターの一般人気投票企画「食べキャラ総選挙」から誕生(第2位)しました。「ぐでたま」自身がつぶやくTwitterのフォロワーは103万人を超える人気です。
「ぐでたま」誕生秘話
ー Amyさん、よろしくお願いします。早速ですが、このイラストは?
Amy:「ぐでたま」の元となったラフスケッチです。左下にいるのが今の「ぐでたま」です。
ー ラフスケッチの段階から「食べキャラ総選挙」にエントリーするまで、どのように進めていきましたか。
Amy:ビジュアルは、学生時代に作ったキャラクター(ネタを布団にして寝ている、シャリのキャラクター)を上司が「面白い」と言ってくれたので、そのキャラクターを参考にし、練り直しました。
「ぐでたま」には言葉をつぶやかせようと決めていて、「お先真っ暗」「未来が見えない」「自由が欲しい」などの言葉はすでに考えていましたが、『だりぃ〜』という言葉は、「ぐでたま」のやる気なく寝そべった姿を見た上司が考えてくれました。
言葉を手書き文字にしたのは、先輩がすごく軽い感じで「手書きがいいでしょ、絶対!」と言ってくれたからです。
ー プリケツなど「ぐでたま」らしい要素はどんな発想から生まれましたか?
Amy:最初、「たまごは鮮度が高い方が美味しそうだなぁ」と考えていて、そこから「生みたてでプリプリのもの」といえば「赤ちゃんのお尻」と考えが発展しました。結果、お尻を赤ちゃんのお尻のようにプリプリにしました。
正直何気なくプリケツにしたのに、こんなにプリケツに注目されると思っていなくて、世の中の人は私が思う以上にお尻が好きなんだなぁと思いました。海外でもお尻に注目されがちです。
ー Amyさんが家でたまごかけご飯を食べている時に「ああ、なんてたまごかけごはんはかわいいんだろう。でも全然やる気ないしこっちに目を合わせない」と思ったことが「ぐでたま」誕生のきっかけなんですよね。
では、「ぐでたま」という名前はどうやって生まれたのでしょうか?
Amy: 最初はぐちゃっとしてる意味で「ちゃまご」とか異なる案を何個か、考えていました。しかし、"ぐでぐでしてるたまご"という名前の由来が一発でわかりやすかったので「ぐでたま」にしました。
ぐでたまの仲間たち
ー「ぐでたま」は、ひとりではないんですよね。
Amy:たまごは毎日出荷されているのでたくさんいます。調理法によってもその姿を変えたり、調味料の味付けによって喋り方が微妙に変わってたりします。
ー 「ぐでたま」たちはどのような発想から生まれたのでしょうか?
Amy:たまごは色々な姿や味に変化しますよね。なので、
・腐ってしまって身も心もグレてしまったグレたま
・マダムな感じの口調と色気のある口紅のクロックマダム
・ハードボイルドな性格でクールな眉毛のハードボイルド
・「サンリオらしくない」とは言わせないため、サンリオというブランドを全面に押し出しぶりっこするぎゅでちゃま
といったように、調理などによって想像を膨らませました。
ー 思い入れがあるキャラクターはいますか?
Amy:なんだろう…ラップ(食品包装用ラップフィルム)をかけられたことから生まれた、ラッパーのDJぐでたまですかね。
珍しくノリノリになったと思ったらラップに穴を開けちゃうってひどいなと、我ながら思います。
ー しゃきぴよは「ぐでたま」ではないですが、どんなキャラなんでしょうか?
Amy:しゃきぴよは珍しく混ざっていた有精卵から生まれた、暑苦しい性格のひよこです。
ショートアニメ(2014年から朝の情報番組内にて放送された)からしばらく経って「ぐでたま」のキャラクターが定着し始めた頃に、「ぐでたま」を際立たせる対照的な存在として誕生させました。
生まれたことへの喜びと、いつか空を飛べると信じて止まない純粋無垢な存在です。「ぐでたま」にもやる気を出させようとしますが「ぐでたま」のぐでぐでとしたペースに飲み込まれそうになることもあります。
ツッコミ役なのですが、役目を果たしているのかどうかはわからない存在です。
10年間の中で印象に残っている思い出
ー サンリオタイムズのTwitterで「10年間の中で、1番印象に残っているイベントや商品・出来事」をお伺いしました!
ー その結果、「ぐでたま」をテーマにしたカフェ「ぐでたまカフェ」を挙げてくださった方がとても多かったです。裏話や思い出を教えていただけますか。
Amy:東京(池袋)や大阪(梅田)などで展開された「ぐでたまカフェ」は、私もとても思い出深いです。
「ぐでたま」の世界観を舌でも楽しめたのは、たまごのキャラクターである「ぐでたま」と親和性が高くてよかったなって思いました。お店に見に行った日に行列ができてたときは「大変なことになった!」と思いました。
Amy:ほかにも、野外食フェスとして豊富なフードメニューがラインアップされた「ぐでたまフェス」もすごく楽しかったです。
プロデューサーさんたちとサンリオとしては今までやったことのないタイプのイベントをやれたのは未知でしたが達成感がありました!
ニセたまさんを大量発生させてフラッシュモブみたいなことができたのも、サンリオではなかなか珍しい演出なので…笑
またやりたいです!
Amy:個人的には西武鉄道とのコラボレーション特別車両「ぐでたまスマイルトレイン」を実施した時も、すごいテンションが上がりました。車両自体が結構丸っこいデザインで、たまごにしやすくて可愛かったです。
Amy:YouTubeで公式チャンネル『GUDETAMA/ぐでたまチャンネル』を開設したのも印象深いです。その中の企画で「ゲーム実況Vtuber」として、天性のゲームの下手さを配信するという、サンリオの中では初の試みもありました。ゆるい発言が許される「ぐでたま」ならではだなと思います。
予想できない笑いが多く、私もよく笑って膝から崩れ落ちてました。
お店やイベントでお客さんに紛れてニヤニヤすることが醍醐味
ー10年間でTwitterのフォロワーは103万人を突破するほどの人気に成長していますね。「ぐでたま」の第一発見者(担当デザイナー)としてどういうふうに見ていますか?
Amy:いつもあとどれくらいがんばれるかな…と思いながら見ているので、今回もよく10周年もがんばれたな…という感想です。
ー「ぐでたま」は、ほぼ毎日Twitter投稿(多い時は1日に数件)していますね。
思い出に残っている投稿はありますか?
Amy:「KIRIMIちゃん.」など、サンリオの他のキャラクターと他愛もない会話ができるのは、サンリオならではだと思います。「ぐでたま」本人はどうでも良いだろうけど。
ー10周年の中で苦労したことや、嬉しかったことはありますか?
Amy:苦労は多々ありますが、嬉しかったことの方がたくさんあると言っても過言ではないです。
この仕事をしてなかったら関われなかった方とお仕事ができたり、学生時代の友達とたまたま仕事で関わったり、海外のイベント参加やNetflixの映像制作の撮影現場に立ち会ったり、貴重な経験ができました。
醍醐味としては、お店やイベントでお客さんに紛れつつ「ぐでたま超好きなんだけど!買ってこー!」と言ってるのを真横で聞いてニヤニヤすることです。
その前の段階では身内の人が「面白い!やってみよう!」と言ってくれることかもしれないです。
隣の席の子に落書き見せて笑ってた学生時代と変わらないかも…。
最後に「ぐでたま」からのコメントが到着!
ー 10周年を迎えた「ぐでたま」から一言お願いします。
⌒¨⌒¨⌒¨⌒¨⌒¨⌒¨⌒¨⌒
サンリオ時間
Sanrio Timesでは最後に「サンリオ時間」(※)をお届けしています。今回はAmyのサンリオ時間をお届けします。
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内定した時に縁あって描いてもらった先輩のイラストサインを眺める時間です。キャラの可愛さもそうですが、デザイナーとして向き合ってきた姿勢や考え方などがそこに詰まってる気がして、困った時ちょっと眺めます。
あとは力一杯サンリオピューロランドで遊んだりしますよ。
社員ということを忘れ、開園から閉園までがっつり遊びます。
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終わりに
Amyさんのお話はいかがでしたでしょうか。初期のラフや「ぐでたま」定番のセリフ「だりぃ〜」の誕生秘話を聞けて、目からウロコでした。
そして最後に「ぐでたま」からもコメントをもらえました。「10周年?どうでもいいわ〜」と相変わらずのやる気がないコメントでしたが、これからも「ぐでたま」を応援してくださると嬉しいです。
10周年を迎えた今年は、夏頃にグッズを発売予定ですのでお楽しみに。
(おわり)
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著作:(株)サンリオ