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「サンリオ時間」で世界中を笑顔に

Sanrio Times編集担当です。今回はnoteのアカウント名にもなっている「サンリオ時間(SANRIO TIMES)」について、改めて詳しくお伝えしたいと思っています。

「サンリオ時間」について、サンリオでは “みなさんがサンリオのキャラクターと一緒に過ごしたり、サンリオが提供するサービスに熱中したりして笑顔になる時間” と定義しています。

企業理念「みんななかよく」の“みんな”に着目し、みなさんの「サンリオ時間」を増やすことが世界中に笑顔を増やすことにつながると考え、世界中のサンリオ時間を実際に計測しています。

その結果、2022年度の全世界のサンリオ時間総計は400億時間に達しましたが、実際の計測方法やその未来像を、プロジェクトを率いるお二人に聞きました。


サンリオ時間とは

―サンリオ時間が誕生した背景を教えてください。

中塚:多くのお客さま、株主の方など、サンリオに関わってくださるみなさまに対して、サンリオは単純に売り上げや利益だけを発表していくのではなく、企業経営の視点で非財務的な指標を提示していく必要があると考えていました。

そこで誕生したのが「サンリオ時間」という考え方です。
お客さまがサンリオの商品に積極的に関わってくださっている時間や、サンリオのキャラクターやサービスが日常の行動の中にある時間はどのくらいなのか。

これを、数字にして、しっかりとらえていこうと考えました。これらの時間をサンリオ時間と定義し、私たちのサービスが還元できているかどうかを可視化していこうというのが始まりです。

―具体的にはサンリオ時間とはどのような時間を指すのでしょうか。

大倉:まず、サンリオ時間がお客さまにとって“能動的”な時間か、“受動的”な時間かの2つに分けて考えました。

“能動的”な時間は、総じてお客さまが積極的に商品やキャラクターに関わってくださる時間と定義し、これを「夢中時間」としました。この時間にはECサイトをみたりイベントに行ったりする時間などが入っています。

もう一つの“受動的”な時間は、サンリオの提供する商品やサービスがどれだけみなさまのそばにあるかという時間と定義し、これを「寄り添い時間」としました。

この時間には、赤ちゃんがぬいぐるみと遊ぶ時間、勉強しているときにキャラクターの文房具を使う時間、お部屋でキャラクターデザインの部屋着を着て過ごす時間などが入っています。

この「夢中時間」と「寄り添い時間」がサンリオ時間の柱になっています。


サンリオ時間の計測方法

―サンリオ時間の具体的な計測方法について教えてください。

大倉:まず、一見すると膨大のように思える時間をどのように計測するかという方針を考えました。
世界中でサンリオの商品やサービスは提供されているので、グローバルな指標としても計測可能なものでなければなりません。

しかし、実際に世界の細部の一つ一つを計測することは困難です。その制約の中で、自分たちも納得し、かつみなさまにもわかりやすい計測方法に至るまで試行錯誤しました。

最終的に夢中時間は、検索する時間を計測することにしました。例えばイベントに行く前も日時や場所を検索して調べてからお出かけしますよね。

世界中の人がインターネットでサンリオ関連の言葉を検索する回数を実際に調査し、1回の検索にかかる時間を掛け合わせて計測しています。

また寄り添い時間は、サンリオのビジネスの柱の一つである商品に着目し、「その商品と人が寄り添っている時間」を計測していこうと決めました。

それぞれの商品カテゴリーごとにサンリオの商品がどれくらいの時間みなさまのそばにあるかを仮定して、同時に商品の出荷数などから推定の販売数を出し、それらをもとにして「寄り添い時間」を算出しています。

―最近Z世代の女性を中心に、部屋全体をサンリオのキャラクターグッズで飾っている投稿をSNSでよく見ます。この中にも計測するサンリオ時間はありますか?

大倉:もちろんあります。例えば、大好きな「ハローキティ」の新商品を知りたいと思って、「ハローキティ」を検索。そこで知った新商品の文房具をその週の土日にショッピングモールで購入したとします。

このとき、「ハローキティ」関連ワードを検索している時間が夢中時間に反映されています。また購入した文房具を、学校などで実際に利用する時間が寄り添い時間になっていきます。

気に入った商品を揃えるのにたくさん検索をされているでしょうし、商品を買った後はずっと部屋において共に過ごしていることになりますので、こういった方々の夢中時間、寄り添い時間はかなり多いことになりますね。

―計測したサンリオ時間はどのくらいの時間になったのでしょうか?

大倉:初めて計測をした2021年度は、国内のみを計測し、サンリオ時間の合計が約190億時間になりました。2年目の2022年度は対象を全世界とし、算出方法もより現実に近づくように改良したため、合計は約400億時間となりました。2030年までに、世界中で累計3000億時間に達することを目指しています。

また、今後サンリオの事業が拡大していけば、その分だけサンリオ時間として計測する対象も増えていくことになります。

「つらい、苦しい」を「楽しい」に変えられたら

―サンリオ時間とともに、サンリオが目指す未来を教えてください。

中塚:世界が大きく変わろうとしているいま、サンリオはこれまで以上に世界中の人々を笑顔にする事業を展開していくべきだと考えています。

これまでのサンリオといえば、キャラクターを生み出し、そのキャラクターの魅力によってほかの商品の付加価値を上げる、いわゆる「ライセンス事業」をイメージする方が多いと思います。

雑貨から始まり、施設やデジタルコンテンツにいたるまで、あらゆるものをキャラクターの力によって価値を向上させる役割を果たしてきました。

しかしこれからのサンリオは、あらゆるシーンで世界中の人を笑顔にする仕組みを作る、すなわちエンターテイメントを創造する会社でありたいと考えています。

「モノ」だけではなく、世界中の人の「時間」に価値を付加する、そんな事業展開を考えているのです。

―どのような事業を想定しているのでしょうか。

中塚: いろいろな事業が考えられると思っています。
例えば、何かを新しく学んだり創ったりすること、赤ちゃんやシニアなどを保育・介護などの方法でサポートすることなど、今もむかしもたくさんの挑戦や困難があって大変なことです。

でもその何かを生み出す活動、教育や介護現場も、むかしはただ大変なだけではなくて、その過程に楽しさ笑顔があった領域なのに、社会構造の変化でうまくやること、やりきることでいっぱいいっぱいになってしまっていると思います。

そのネガティブになってしまった現場を、サンリオがうまくやるより「笑ってできるか」に変えていけると思っています。

―教育課題にどのようにアプローチするのでしょうか。

中塚:サンリオが持っている、愛されるデザインを生み出す「クリエイティブ力」と、想像力を持ちゼロからイチを開拓し実装していく「プロデュース力」を使えば、楽しみながら自然と知識を身につけていく教育が実現できると思っています。

例えば2023年の春からスタートした知育も学べる子ども向け英語プログラム「サンリオ・イングリッシュ・マスター」は、動画を中心に楽しい歌や絵本を通じて、親子でコミュニケーションを取りながら自然と英語を身につけることができるものです。

―楽しみながら学ぶことで笑顔が増える…「サンリオ時間」が増えていきますね。

中塚:これからは仕事、勉強、家事、介護、そして創作活動もうまくやるのではなく、「どうやったら笑ってできるか」を考えることが大事になり、そのための仕掛けが求められるでしょう。

一つの正解に向かって皆が競い合う時代ではなくなりました。
100人いれば、100通りのやり方があり、100通りのこころざしがある。
一人ひとりの個性を、さまざまな方向から支援する企業でありたいのです。

エンターテイメントのフィールドはとても広いです。笑顔を軸にしてフィールドを広げていき、すべての人に価値を提供したいと考えています。

二人のサンリオ時間

―最後に、お二人のサンリオ時間を教えてください。

大倉:この夏に「ハローキティ」の靴をゲットして、週に何日かその靴を履いて出勤しています。そのため私のサンリオ時間が増えましたが、会社では「かわいいですね」と声を掛けてもらい、そこから話が広がることも増えました。

計算ロジックにばかり目を向けていると忘れがちですが、そういった、サンリオがきっかけで生まれる“心が動く体験”こそが、サンリオ時間の価値なのではないかなと思います。

中塚:うちには0歳、3歳の子供がいるのですが、家に帰るたびに「サンリオ・イングリッシュ・マスター」で覚えた踊りを一緒に踊ろうといわれます。

親子の触れ合いも増やす設計の教材なのですが、おかげで幸せな時間が増え、「これがサンリオ時間か!」と実感しています。

Profile: 中塚亘(写真左)/株式会社サンリオ 常務取締役。社長室および事業戦略本部を担当。
趣味は子どもとサンリオキャラクターのぬいぐるみで「ごっこ遊び」をすること。
「みんななかよく」のサンリオ企業理念にならって、たまにサンリオ以外のキャラクターも仲間に入れて遊んでます。
大倉幸祐(写真右)/ファンベースマーケティング部データサイエンス課。趣味は美術館に行くこと。
サンリオも展覧会を定期的に行っているので、次回の展示を楽しみにしています。

©︎2024 SANRIO CO., LTD.  著作:(株)サンリオ

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