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実在するハムスターのモデルがいた! 「コロコロクリリン」誕生秘話

8月6日は、「ハム」の語呂合わせで“ハムスターの日”といわれています。ハムスターのキャラクター「コロコロクリリン」の誕生秘話やこれまでのあゆみを、初代担当デザイナーに聞きました。


コロコロクリリンのプロフィール

ちょっぴり気が小さいけれど、好奇心旺盛。マイペースでやんちゃなゴールデンハムスターの男のコ。好きな食べ物はクッキー、ヒマワリのタネ。なにかをかじったり、狭い隙間に入ったりするのが大好き。趣味は、宝もの集め(家の中に落ちているものを拾い集めること)です。

“クリリン”のトレードマークはお花の帽子。“クリリン”の部屋に飾られたお花がとってもいいにおいがするので遊んでいたら、頭にスッポリ。それ以来、帽子を気に入ってかぶっているんだとか。
ちなみに“クリリン”のほお袋には、トウモロコシの実が一度に32個入ったという記録もあるんだそうですよ。

コロコロクリリンがデビューするまで

手描きの原画(左)と清書(右)

1997年、新キャラクターを作るプロジェクトから「コロコロクリリン」は誕生しました。

1997年当時のサンリオには、小動物の目立ったキャラクターがいませんでした。そこで子どもたちの間で大人気だったハムスターのキャラクターを提案しました。その後、サンリオショップでの店頭アンケートを経てデビューが決定しました。
ちなみにハムスターのほかには、ハリネズミやフェレットの案があったそうですよ。

デビュー時に描かれたデザイン

ハムスターといえばその種類の豊富さも人気の理由のひとつですが、“クリリン”は茶と白がポピュラーな毛並みのゴールデンハムスターです。ゴールデンハムスターを選んだのは、担当デザイナーが子供の頃に飼っていたからだそう。

「コロコロクリリン」という名前は、
コロコロは、寝る時にボールのように丸くなる、コロコロとした丸いイメージ。
クリリンは、お目々が大きくてクリクリしているところから名付けたそうです。

ちなみに、“クリリン”のトレードマークであるお花の帽子は、デビュー前のラフ案からかぶっているもの。チューリップハットからインスピレーションを得て、帽子をかぶらせてみようと考えたのだそうです。お花の帽子というのがかわいいですね!

自分のペットとして可愛がられるキャラクター

「コロコロクリリン」の初めてのグッズは、1998年6月に発売されました。
当時流行していた同じ言葉を繰り返すという書き方を取り入れ、「コロ2クリリン」というロゴになっています。

小学生に向けて、交換ノートやミニテレフォンリストなど36アイテムがラインアップ。テーマは、“クリリン”が集めている宝物でした。
家の中をおさんぽしているときに、落ちているものをほお袋に入れて集めるのが好きな“クリリン”。そんな“クリリン”が集めたビスケット、お花のビーズ、鉛筆、ボタンやおもちゃの鍵などの立体パーツがグッズに取り入れられました。

“クリリン”の世界観は、とてもハムスターらしく、リアルな表現で描かれています。 それは、お家の事情でハムスターを飼えない子どもたちにも、「ペットを飼っているような気持ちで“クリリン”と過ごしてほしい」という思いが込められていたから。
サンリオショップで買い物するともらえるプレミアムマスコットには「クリリンを飼うための準備」や、「クリリンの上手な飼い方」などが掲載されていました。

初めてのグッズが発売されたときのプレミアムマスコット(全5種類)

コロコロクリリンのモデルとなった“クリリン”

“クリリン”と“サクラ”には、モデルがいました。
1998年2月4日、サンリオ本社に2匹のゴールデンハムスターをお迎えしました。

左がモデルのクリリン、右がサクラ

「コロコロクリリン」のプロフィールの誕生日は2月4日(飼い主のおうちに来た日)ですが、その日にちというのも、サンリオ社内で2匹を飼い始めた記念日なのです。

担当デザイナーをはじめサンリオ社員でお世話をし、長期休みのときは“クリリン”たちを自宅へ連れて帰ったそうです。

サンリオの社内で飼われていたクリリンとサクラ

そんなモデルの“クリリン”と“サクラ”の間に子どもが生まれると、「コロコロクリリン」のキャラクターデザインの中でも、7つ子ちゃんの子どもが登場。

ちなみに、モデルのハムスターたちの間に生まれた子どもたちは、「いちご新聞」で里親募集を行いました。実はこの中で、“クルミ”、“ミルク”、“シンゴ”の名前は、1回目の里親さんがつけてくれた名前からもらったそうです。

「コロコロクリリン」のキャラクター設定では 、4匹はもらわれて残り3匹がそのまま飼われています。以降のグッズには、“クリリン”と“サクラ”に加えて、この3匹がメインで登場していますよ。

左から、チェリー、クリリン、チビクリ、サクラ、チャチャ

またサンリオ社内で飼育していることを題材に、ウェブで「まんがクリリン日記」というショートアニメを公開。それを元にした漫画を「いちご新聞」に載せていました。

ウェブアニメ「まんがクリリン日記」は、約2年全89回連載されました。
現実とキャラクターの世界がちょっとずつリンクしているのは当時珍しいことでしたが、モデルとなったハムスターたちの仕草や出来事は「コロコロクリリン」の世界観をより賑やかにしてくれました。

仲間がいっぱい!隠れキャラクターも?

“クリリン”と“サクラ”、そして7つ子を紹介してきましたが、仲間のハムスターもいっぱい!

実際のハムスターにも様々な種類があるように、個性豊かなハムスターの仲間が“クリリン”たちを含めて全部で86(ハム)匹もいるんです。

でも、数えてみると、ここに掲載されているハムスターは87匹。
実は“コスモ”はどこから来たのか、種類も性別も不明なナゾハムスターなんです。
ぜひ画像の中から見つけてみてくださいね。

デザイナーの思い

最後に担当デザイナーに「コロコロクリリン」への思いを伺いました。
 
「サイン会などでお話を伺うと、『昔から好きです』と答えてくれる方がとても多く、熱い思いを持って応援してくださっているのが伝わってきます。

“クリリン”と一緒に育ってきた子どもたちも、大人へと成長されましたが “クリリン”を忘れないかぎり、これからも“クリリン”はみなさんと一緒です。
これからもずっと、“クリリン”をかわいがっていただけると嬉しいです。」

終わりに

「コロコロクリリン」の知られざる秘話について深掘りしてきました。最後に印象的なグッズを発見したのでご紹介します。

第1号商品のうちの1つ、交換日記です。交換日記の中は、「ひみつのはなし」や「今日のおすすめ」「気になるあの人」のコーナーが書かれていて、なんだか懐かしい気持ちになりました。
 
きっとみなさんのなかにも“クリリン”と過ごす素敵な時間があると思います。ぜひXでnoteの感想や、“クリリン”と過ごした時間をハッシュタグ「 #サンリオ時間 」をつけてシェアしてくださいね。
 
(おわり)
 
取材・文:あずさゆみ
 
(profile)
WebメディアDtimes.jpディレクター/フリージャーナリスト
かわいいもの、おいしいものが大好き。フリーライター、フォトグラファーとしても活動中。
 
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